【書評】「中だるみ社員」の罠


・「中だるみ」社員の罠 著:山本寛

タイトルにピンときたので読んでみたら、現状に当てはまる部分が多くあった。

仕事を一定年数続けていく中で、何か同じことの繰り返しをしているとしか思えず、モチベーションが上がらないし、新たに身につく事が無い、といった思いに駆られる時期がある。
そういった停滞の時期がどうして訪れてしまうのか、またどの様に停滞を打破し、変化させていく事が出来るのか、といったことがこの本のテーマ。

実際そういった「マンネリ」を仕事のキャリアの途中で感じていると、その時期は能力が伸びている気がしないし、成果も伸び悩む。そのマンネリはどうしてやってきてしまうのか。著者の分析では、

・昇格ポストの不足により、ステップアップの可能性が狭く見える事

・長年同じポジションに置かれ、人事異動がない事


こういった背景などが要因にある、としている。
あまりに慣れ切った仕事を長く続けていると、「発見」という機会は確かに減っていき、好奇心を満たす感覚が無くなっていくのは確かにある。
仕事で好奇心を刺激されて、日々新たな課題にチャレンジすることを望んでいると、このような同じ立場・同じ仕事が続く状況は辛いものがあるだろう。
自分も数年同じ仕事をしていると、学ぶ点が非常に少なくなる、という実感は確かにある。
半年ごとに業務目標を立てる時も、「~の業務を今までより~時間短縮してこなせるようにする」という目新しさの無い目標しか思いつかなくなっていく。

これでは好奇心を持って、新しいことをやりたい人には大いに不満だろうな、と思う。
既に乾ききった雑巾を更に絞る事より、絞りがいのある雑巾を新たに見つける事のほうが面白いでしょう、という話。

ただ、仕事ではなく、仕事の外にそういった好奇心を満たすことを持って生きている人にとっては、ルーティンワークであっても、マンネリはするかもしれないがそれ自体を不満に思うとは限らない気もする。
そもそも仕事で好奇心を満たそうと思っていない可能性がある。

要は、仕事に対して望むことは人それぞれなので、すべての社員に対して、仕事の定期的なローテーション等によって刺激を与えるべきかというと、そうでもないと個人的には思う。

そもそもすべての社員に定期的に新しいことを仕事として提供できる会社は、そんなに多くないと思いますし。
同じ商品を長く売り続けることで成り立っている企業も多いし、それは別に悪い事でも何でもない。

社員の側にとっても、「仕事はルーティンに過ぎず、収入を得るためのもの」と割り切っている人と、「仕事を通じて収入だけではなく、自らの成長を実現したい」という人と、それぞれ望む観点は異なっているはず。
その異なった人のタイプに対して、それぞれに応じた適切な仕事のアサインをすべきではないかと思うし、結果としてタイプに応じて給与など待遇に差が生じても、それで良いと思う。

仕事の中で自己の成長や、知的欲求を満たすことを目標としている人にとっては、同じ仕事の繰り返しによるキャリアの停滞には耐えられないのは本書を読むとよくわかる。
ルーティンで仕事をやりたい人と、新規分野にチャレンジしたい人をしっかり分けて、それぞれに合った職場配置が出来ると理想形なのだろうと思うが、それが十分に出来ていない日本企業が多い、というのが現実の問題ではないかと思った。

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by dwd31 | 2017-05-14 17:49 | 書評 | Comments(0)

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