【書評】ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか


・ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか
 著:川上浩司

今までの本の中で最も長いタイトルではないかと思う。
ただ、この長いタイトル自体に、本の内容が表現されている。

世の中、例えば自動運転技術に見られるように、人間の手を介さなくても物事が勝手に進むシステム、というものが出来てきている。仕事で言えば、Excelでマクロを作ると計算が自動的に行われるので、人間はボタンを一度押すだけで済むようになっている、というような例。

でも、あまりこうしたシステムを作りこみすぎると、システムを過信しすぎて、そのアウトプットをチェックするという行為が抜けてしまい大惨事を招くことがある。
仕事でもマクロ組んだはいいけど、計算の前提となる状況に変化があったときに、変化を取り込まないままずっと間違った計算をしていたり、あるいは変化を取り込むにはどうやってマクロを修正したらいいのか分からなかったり。

先ほどの車の例で別のケースを挙げると、昔の車は手動レバーで窓を開け閉めしていたのが、今はほぼすべての車がボタン一つで自動で開閉する。
しかし、手動レバーの頃は仮にそれが故障しても運転手自身の手ですぐに修理することができた(ある程度の知識は必要ですが)が、自動ボタンは運転手自身の手ではどうする事も出来ず、専門の修理屋までいかないと自分の手では直せない。

例えば、冬の寒い季節に窓を開けていた状態のときにこの自動開閉の仕組みが故障して、窓が開けっぱなしの状態のままになってしまったときを想像してみる。
そうすると、昔はすぐに直せたものが今は修理屋までいかないと直せず、それまで寒い空気に耐えないといけないという不利益が発生しうる。
ただただ利便性だけを追求して仕組みを構築すると、却っていざというときに困った事態が起きる。それを回避するには、敢えて「不便」な仕組みを残したままにしておいて、いざというときに修正が出来、重大なリスクを回避できるようにする方法もありますよ、というのがこの本の内容です。

「何事も100%間違いがない、だから間違えたときの想定はしなくてもいい」という姿勢でいるよりも、多少のミスに対するバッファを持っているほうが自然体、そんな考え方にも通じるかと思う。

※自分の趣味であるボードゲームでも、完全にルール覚えるのはなかなか大変で、説明しているときにちょっと抜けてしまうときもあるけれど、それが却って新しい遊び方を生み出すときもある・・・、というのはこの本の内容とちょっと違いますね(汗)
それは災い転じて福をなす、というか、偶然から新しいことが思いつくという例ですね。




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by dwd31 | 2017-05-28 08:26 | 書評 | Comments(0)

ボードゲームのプレイ記録です。累計300種類プレーに到達しました、面白いゲームを紹介したいと思います!


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